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奈良市
若草山の麓に広大な寺域を占める巨刹。奈良の大仏で親しまれる盧舎那仏始め国宝,重文級の文化財が多い。世界遺産「古都奈良の文化財」の8資産群のうちのひとつ。東大寺の正門である。天平創建時の門は平安時代に大風で倒れた。現在の門は鎌倉時代、東大寺を復興した重源上人が、新たに宋様式を採り入れた大仏様(だいぶつよう)によって再建したもので、今はない鎌倉再建の大仏殿の威容を偲ばせる貴重な遺構である。正治元年(1199)に上棟し、建仁3年(1203)には門内に安置する金剛力士(仁王)像とともに竣工した。入母屋造、五間三戸二重門で、ただ下層は天井がなく腰屋根構造となっている。また屋根裏まで達する大円柱18本は21mにも及び、門の高さは基壇上25.46mもある。大仏殿にふさわしいわが国最大級の重層門である。